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【大学3年生、大学2年生、業界研究に】夜勤のイメージがわかない方は必見! 鉄道業界における深夜労働とは

鉄道業界を志望して業務内容などを調べていると、夜勤があることに気付いた方も多いのではないでしょうか。しかし、夜勤と言われてもイメージが掴めない方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は鉄道業界における夜勤について触れていきますので、働き方の参考にしていただけたらと思います。


夜勤に触れていく前に質問です

線路や架線などの保守点検や工事などを実施するとしたら、どのタイミングで行うのが安全だと思いますか?

大抵の方は、列車が走っていないタイミングを考えたと思います。

この、列車が走っていないタイミング、つまり列車が通過してから次の列車が差し掛かるまでの時間を「列車間合い」と呼びます。

時刻表を見ていただくと分かりやすいのですが、路線によって運行本数や運転間隔が異なるため、列車間合いを確保できる時間は全国一律ではありません。

施工内容によっては、利用者の影響を最小限に抑えつつ、日中の列車間合いで完了できる作業もありますが、中にはまとまった列車間合いが必要となる作業もあります。

夜間作業は安全運行を支える手段の一つ

それでは、まとまった列車間合いを確保できるタイミングはいつでしょうか?

一つは、列車を運休して列車間合いを確保する方法があります。
2023年1月7・8日に山手線の渋谷駅線路切替工事が実施されましたが、終日列車を運休し、昼夜通して工事が行われたことを覚えている人もいるのではないでしょうか。

そして、もう一つは、終電から始電の間です。
2021年春のダイヤ改正では、終電時間を繰り上げて夜間の作業時間を確保するといった話題もあったので、それを思い出した方もいると思います。

安心・安全運行を支える日々のメンテナンス、乗り心地や利便性向上のための工事などを安全にかつ集中して実施するために、まとまった列車間合いが必要で、夜間の作業はその手段のひとつです。

主な夜間の作業内容

インフラを支える手段の一つに夜間作業があることが分かったところで、次は、主な夜間の作業内容に触れていきたいと思います。

鉄道業界における主な夜間の作業内容は、メンテナンスや保守、工事、深夜早朝のお客さま対応などで、いずれもインフラを支える大切な仕事です。夜勤ではこれらに付随した業務に携わることが多くなります。

職種別! 仕事内容紹介

これは夜勤に限った話ではありませんが、業務にどのように関わっているのかイメージを掴みやすくするために、職種別に業務内容を紹介します。

施工管理者

施工管理者は、施工の責任者として、作業計画・施工内容全体の管理を担当し、作業が上手くいくかは施工管理者にかかっています。詳しくは「施工管理の仕事とは」をご覧ください。

施工管理者は適切な資格と経験を持ち、作業の円滑な進行と安全性を確保します。基本的には現場で作業を行うことはありません。

現場監督

会社によっては施工管理者のことを現場監督と呼んだり、施工管理者が兼務したりすることがありますが、ここでは別の役割として考えます。

現場の作業状況を把握しながら、作業員のひとりとして現場で作業にあたります。

作業員

上記以外の、現場で作業にあたる人たちです。

現場で一番人数が多いですが、それぞれ協力し、安全に配慮しながら一つの目標に向かって一致団結して突き進みます。

このほか、駅員の場合は、終電後の駅を閉める作業や始電前の駅を開ける作業などがあります。

そもそも、夜勤とは?

ここまで簡単にですが、鉄道業界における夜勤の仕事を紹介しました。
ここからは、夜勤という言葉が意味するところについて触れていきたいと思います。

原則午後10時~午前5時が深夜労働

一般的に「夜勤=夜から早朝にかけて働くこと」と認識されていると思います。では、具体的に何時から何時を指すのでしょうか?

まず、この夜から早朝にかけて働くことを「深夜労働」といいます。深夜労働にあたる時間帯は、労働基準法の第61条で定められており、原則午後10時~午前5時となります。

夜勤はこの深夜労働の時間を含めて働く勤務形態となります。そのため、午後9時~午前6時(休憩1時間を含む)といった勤務形態もあり得るのです。会社によって異なりますが、深夜労働となる午後10時~午前5時の間だけを働くわけでは無いということです。

夜勤のメリット1:深夜労働手当がある!

夜勤の大きなメリットは、二つ挙げられます。

一つは深夜労働手当です。
深夜労働の時間帯に働いた分は、深夜労働手当がプラスで支払われます。これも、労働基準法で定められています。

夜勤のメリット2:夜勤明けの休日は1.5日ある?

夜勤のメリット、もう一つは夜勤明けの休日は1.5日分あることです。
イメージしやすくするために1.5日と表現しましたが、実際は次のとおりです。

休日は暦日単位と法律で定められています。暦日単位とは0時~24時のことです。そのため、シフトによる交代制であることが就業規則に明記されている場合などの一部例外を除けば、夜勤明けの休日は、勤務明けの翌日までとなります。

これは、平日の休みが増える可能性があるとも言えますが、土日だと混雑するような場所へ空いているときに行けるといったメリットが考えられます。

夜勤のデメリット

ここまで、メリットを挙げてきましたがデメリットについても紹介します。

先ほど、平日の休みが増える可能性と紹介しましたが、その反面、家族や友人などと休みが合いにくくなるというのはデメリットと言えそうです。

そのほか、あまり耳なじみのない言葉かもしれませんが、連続勤務(日勤→仮眠→夜勤)といった働き方をデメリットに感じる人もいるのではないでしょうか。

ちなみに、上図は日勤→仮眠→夜勤→休日のイメージとなっています。

夜勤の働き方は、先輩方の様子を参考にしよう!

日勤と比べて、夜勤の場合は働いている姿が想像しにくいといった印象があると思います。そこで、ゲンバで活躍している皆さんの先輩の取材記事を下記にピックアップしたので、参考にしてください

まとめ

鉄道業界における夜勤は、列車の安全運行を確保するために欠かせない要素です。夜間に確実に設備の保守点検や修繕などを行うことで、鉄道の安全性と信頼性を維持する、インフラを守る、といったやりがいを強く感じることができる働き方なのではないでしょうか。

この記事で少しでも夜勤のイメージが掴めたら嬉しいです。

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文・企画・構成:交通新聞社
※記事中の情報は、この記事を公開した当時のものです。

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