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【JR貨物が船を所有?・JR東日本決算発表など】鉄道業界 就活生が気になるプレスリリースまとめ【2023年4月】

鉄道就活応援隊のTwitterでは、鉄道業界各社のプレスリリースから就活生向けの話題をピックアップして、不定期にお届けしています。

プレスリリースを読むのは単なる情報収集だけではなく

・企業がどういった考えで施策を打っているのか
・自分の目指すことと、その企業の考えに重なるところがあるか

といったことを探るのにも有効です。

今回の記事では、そんなプレスリリースについてのツイートから2023年4月の1ヶ月間をピックアップ。140字の制限があるTwitterでは伝えきれなかった事象も加えながらお届けします。

なお、日付はプレスリリースの発表日ではなく、鉄道就活応援隊でツイートした日ベースですのでご注意ください。それではどうぞ!


4月4日 JR東日本 2023年6月に羽田空港アクセス線(仮称)の工事に着手することを発表

【就活生の目線】JR東日本による自社線ネットワークの価値向上
プレスには、新たに建設する「アクセス新線」および既存設備を一部活用する「東山手ルート」を整備し、2031年度の開業を目指すことなどが盛り込まれています。

JR東日本のプレスリリースより引用

JR東日本としては、羽田空港への自前のアクセス手段を確保するというのはもちろん、上野東京ラインなど既にある鉄道ネットワークと接続させることにより、アクセス新線に留まらず広く自社線の需要を喚起する狙いがあるとみられます。

なお、羽田空港へ鉄道によりアクセスする手段としては既に京急空港線、東京モノレール羽田空港線があり、影響を心配する方もいらっしゃるかもしれません。
実際に開業した際には空港の利用客の一部がJR東日本のアクセス新線に流れることは予想されますが、京急線、東京モノレールいずれについても乗降客数1万人規模の途中駅が存在※します。

※参考:京急電鉄 駅別乗降人員東京モノレール 会社概要

つまりJR東日本のアクセス新線が開業したからそれらの路線が不要になるというものではなく、あくまで空港アクセスに新たな選択肢が加わる、というような捉え方が妥当と思われます。

4月5日 JR東日本 新しいSuica改札システムの導入を発表

【就活生の目線】鉄道事業と関連事業の顧客情報のやり取り
JR東日本が「Suicaの共通基盤化」と表現する取り組みは、Suicaを通じて利用者が手軽にJR東日本の様々なサービスにアクセス可能になることを目指しています。

JR東日本のプレスリリースより引用

当初交通用途からスタートしたSuica。ICカードにデータを記録して運賃計算などの処理は改札機で行う方式を取ってきましたが、電子マネーとしての利用など次第に用途が増えていき、さらに新たなサービスを追加しようとする中で

  • ICカードに記憶できる容量の限界

  • システム改修にスピード感を持たせるのが困難

といった課題に直面していました。

そこで、今回の「新しいSuica改札システム」の導入ではまず運賃計算を改札機からサーバーに移管したのです。
システムの細かな仕様を覚える必要はありませんが、JR東日本は将来的に予定される鉄道チケットシステムの導入とあわせ、Suicaを介した多様なサービス展開を目指している点はしっかりと押さえておきましょう。

4月11日 東京メトロ 丸ノ内線でQRコードを利用したデジタル乗車サービスの実証実験実施を発表

【就活生の目線】鉄道におけるデジタル乗車サービスの進展
今回のケースのように、多様なサービスが展開しやすくなるのはデジタル乗車サービスならではの利点と言えそうです。

たとえば従来から沿線施設の入場券と組み合わせた企画きっぷはありましたが、利用者にとってはデジタル乗車サービスなら事前の受取が必要ないというメリットがあります

鉄道事業者側にとっても、価格設定などについても柔軟な運用が可能ですし、購入者の情報がマーケティングにも利用できるなどのメリットがあります。今後も注目の動きですね。

4月12日 JR西日本など JR西日本の沿線自治体への移住支援キャンペーン「おためし暮らし」第3期の実施を発表

【就活生の目線】鉄道会社と地方創生の関わり
鉄道業界、特に鉄道会社を志望する方は地方創生に対する情熱を持った方も多いと思います。ぜひ知っていただきたい具体例の一つです。

沿線に定住する人口が増えることは地方自治体と鉄道事業者双方にメリットがありますし、鉄道利用者が多様なライフスタイルを実現することを地方自治体と鉄道事業者が本気で応援する取り組みには、JR西日本が新しい時代へ対応することの決意表明のような強い意志を感じます。

要チェックですよ!

4月13日 JR貨物・センコー 災害時の鉄道貨物の代行輸送手段確保のため内航船を共同発注したことを発表

【就活生の目線】災害に備える鉄道会社
「JR貨物が船を発注?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
JR貨物の狙いは、鉄道ネットワークが災害などで寸断された場合にも、荷主から請けた荷物の輸送手段を確保することです。

とはいえ常に使うわけでもない貨物船をJR貨物が単独で発注・保有するのは負担が大きいので、センコーグループホールディングスと共同発注し、平常時はセンコー海運グループが運航するという仕組みを取ったわけです。

災害への対応は各社が課題とするところですし、災害に備えるための耐震工事や災害被害からの復旧工事には土木・線路・電気その他様々な領域の数多くの会社が関わっています。
社会インフラを支えているのは鉄道会社だけではない、ということを改めて考えてみてはいかがでしょうか。

4月14日 東急電鉄・日本IBM・東急テックソリューションズ 「CBM支援システム」を4月下旬より運用開始することを発表

【就活生の目線】鉄道メンテナンスのDX
鉄道メンテナンスの現場においても、作業の効率化や作業員の安全確保、そして設備の劣化を見逃さないようにする観点からCBMの導入が進んでいます。

CBMについては鉄道就活応援隊でも何度か解説していますが、画像で解説すると以下の通りです。

この事例では、まず転てつ機の状態をリアルタイムで伝送し、クラウド上で参照可能に。取得したデータは遠隔で確認できるようになるため、検査が効率化されます。
また、「取得したデータが一定の条件を満たした場合、アラートで知らせて設備故障の兆候を察知する」ことを目指すとのこと。

そして、転てつ機・レールについて、分析結果を劣化状況や設備の重要度に基づきスコアとして可視化。
従来は経験や知識によってメンテナンスの対象や優先順位を判断していたところ、定量的な指標を加えることでより確実で効率的なメンテナンス計画の立案・実行に寄与するとのこと。

将来的には対象を転てつ機やレール以外にも広げる予定があるとのことで「鉄道メンテナンスのDX」の好例として注目ですね!

【関連記事】線路など鉄道施設のメンテナンスについての記事

4月17日 熊本市交通局 クレジットカードのタッチ決済・QRコード決済の導入を発表

【就活生の目線】鉄道におけるタッチ決済・QRコード決済導入の進展
タッチ決済・QRコード決済の実証実験を行っている鉄道事業者はここ数年で急激に増えています。

同じ九州島内だけでもJR九州や福岡市地下鉄、鹿児島市電の例があり、特に都市部の公民鉄を中心に交通系ICカードに続くスタンダードとなる日もそう遠くない未来ではない勢いです。

要チェックですね!

4月20日 JR東海 東海道新幹線「S Work車両」のリニューアルなどについて発表

【就活生の目線】鉄道会社による新たなリモートワーク環境の整備
東海道新幹線では、コロナ禍をきっかけとして、リモートワーク環境の整備を推進しています。

2021年10月1日から東海道・山陽新幹線の「のぞみ」7号車の座席を1両丸ごとビジネスパーソン向けの「S Work車両」として、他の車両の座席とは別枠で発売してきました。
なお「S Work車両」についてはこちらの記事もご覧ください!

4月26日 JR九州 日田彦山線 BRT ひこぼしライン開業予定日を発表

【就活生の目線】BRTとは何か・鉄道との関わり
BRT(Bus Rapid Transit)の定義は国土交通省によると「連節バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステム」とされています。

このようにBRTは直接鉄道と関係のあるシステムではないのですが、

  • 鉄道と比べて維持費が低額

  • 専用道を採用することにより一般的なバスと比べて高速性・定時性に優れ、渋滞緩和にも効果的

といった特性を備えることから、国内においては鉄道からの転換でBRTを採用することが多くなっています。
今回の日田彦山線のように災害で不通となった路線や、利用者の減少で維持が困難になったローカル線の敷地を転用し、BRTとして再生させた例では

  • かしてつBRT(廃線となった鹿島鉄道の線路敷地を転用)

  • ひたちBRT(廃線となった日立電鉄の線路敷地を転用)

  • 気仙沼線BRT・大船渡線BRT(東日本大震災で被災した鉄道路線の復旧)

があり、いずれも廃止となった鉄道の線路敷地を転用したバス専用道を備え、一般道と合わせて新たな地域交通を形成しています。

バス専用道を走行するかしてつBRT(出典:石岡市Webサイト

4月26日 JR東海 2023年3月期決算短信を公開

【就活生の目線】
売上高は2期連続の増収、営業利益も2期連続の黒字。更に経常損益、当期純損益はそれぞれ3期ぶりの黒字
となりました。

売上高49.7%増というのはなかなかインパクトのある数字ですが、これでも2020年3月期(1,844,647百万円)に比べるとまだ少ないという事実がコロナ禍の厳しさを物語っています。
それでも東海道新幹線を中心とした運輸業を始め、すべてのセグメントで増収増益を達成したことは明るいニュースと言えるでしょう。

JR東海を志望される方は億単位程度で構わないので各項目の数字と増減の傾向を把握しておきましょう。

なおJR東海の事業構造や強みに迫った、第3四半期決算短信の分析はこちら。

4月28日 JR東日本 2023年3月期決算短信を公開

【就活生の目線】
売上高は2期連続の増収、営業利益・経常利益・純利益は2020年3月期以来の黒字転換を達成。
コロナ禍からの回復によりすべてのセグメントで増収となりました。

運輸事業が損失を計上しているのがやや気になるところですが、前期に比べて損失幅は縮小しており、また2024年3月期の計画では黒字転換を見込んでいるため、過度な心配は不要でしょう。

JR東日本を志望される方は億単位程度で構わないので各項目の数字と増減の傾向を把握しておきましょう。

4月28日 JR西日本 2023年3月期決算短信を公開

こちらも営業利益・経常利益・純利益は2020年3月期以来の黒字転換を達成。コロナ禍からの回復によりすべてのセグメントで増収となりました。

特に運輸事業は第4四半期が好調であったためか、1月31日時点での通期予想では営業利益が110億円の赤字という想定であったところ、実績では244億円の黒字という大幅な好転。

2024年3月期の通期予想でも増収増益を見込んでおり、コロナ禍からの回復傾向は続きそうです。

JR西日本を志望される方は億単位程度で構わないので各項目の数字と増減の傾向を把握しておきましょう。

終わりに

4月のプレスリリースまとめは以上になります。
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前回(3月)のまとめはこちら

最新技術を活用した顔認証改札の導入や、鉄道会社各社の初任給引上げについて取りあげています。

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