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【磁気乗車券からQRコードを利用した乗車券への置き換えを発表 ほか】就活生が気になる鉄道業界プレスリリースまとめ・2024年5月

今回の記事では、2024年5月に鉄道業界の事業者から出されたプレスリリースをピックアップ。140字の制限があるX(旧Twitter)では伝えきれなかった事象も加えながらお届けします。

プレスリリースを読むのは単なる情報収集だけではなく

・企業がどういった考えで施策を打っているのか
・自分の目指すことと、その企業の考えに重なるところがあるか

といったことを探るのにも有効です。ぜひお役立てください!
それではどうぞ!


5月9日 京急ほか5社 京急線の一部駅でクレジットカードやデビッドカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を発表

【こんな人向け】デジタル乗車券サービスに興味のある人
【解説】導入進むQRコードを利用した乗車券サービス
国内の交通事業者で導入・実証実験が相次ぐ、タッチ決済を活用した交通事業者向け決済ソリューション「stera transit」を活用したものです。

鉄道就活応援隊のX(Twitter)およびnoteでもたびたび取り上げていますが、タッチ決済の導入は特にインバウンド需要への対応として注目されており、今後も導入および導入に向けた実証実験が相次ぐと思われます。
注目ですよ!

関連記事 タッチ決済を含めた大手私鉄各社の決済手段多様化についての記事

5月10日 JRグループ 各社の新幹線ネットワークを活用し、東京駅に特産品を集めて販売する取り組みを発表

【こんな人向け】物流、環境問題、地方創生に関心がある人
【解説】各社に広がりを見せる貨客混載輸送

新幹線における荷物輸送は、鉄道における荷物輸送の衰退に伴い廃止寸前の状態でしたが、JR東日本の「はこビュン」が注目を浴びるようになると、JR西日本で「FRESH WEST」、JR九州で「はやっ!便」、そして今春にはJR東海で「東海道マッハ便」がスタートするなど全国的な広がりを見せるようになりました。

今回の催しには新幹線における荷物輸送を記念して新幹線の荷物輸送をPRする面が大きいと思われますが、地方の特産品を都市部に輸送して販売するのは、日本の鉄道における貨客混載輸送の定番の一つとなっており、速度と定時性の高い。

貨客混載輸送は、物流業界の課題や環境問題、地方創生など複数の領域にかかわりがあり、GDや面接でも触れられる可能性のあるホットなテーマです。
詳しくは関連記事をご覧ください!

【関連記事】貨客混載輸送の意義や、既存事例について紹介

5月21日 日本民営鉄道協会 大手私鉄16社の2024年3月期決算概況・輸送実績について発表

【こんな人向け】大手私鉄各社への就職を考えている人
【解説】コロナ禍で減少した鉄道利用の回復
各社とも鉄道利用の回復が顕著に見られ、対前年度比で6.8%の増加。
決算では個別・連結それぞれ16社合計は増収増益を達成しています。

それを受けてか、大手私鉄各社の2024年度設備投資計画を見ると、東京メトロの18000系の増備や、新型車両である東武80000系の製造(2025年春導入予定)、同じく新型車両である京成3200形の導入など、各社で既存形式の増備や新型車両の導入予定が多く見られるようになりました。

コロナ禍前の状態に完全に復したとはいえないまでも、2020~2022年度と比較すると、各社の経営状況や取り巻く環境は好転したとみて良いでしょう。

5月28日 JR九州 九州新幹線 博多~熊本間で変動価格制を本格導入することを発表

【こんな人向け】収益最大化の一環としての営業施策に興味のある人
【解説】鉄道とダイナミックプライシング
バス業界や航空業界の座席発売では普及した印象のあるダイナミックプライシングですが、国内の鉄道では導入例が少ない現状がありました。
このような状況下で、JR九州が自社の「ドル箱路線」である博多~熊本間においてダイナミックプライシングを本格導入したことは注目に値します。

需要予測に基づいて適切に価格を変動させる商品の設定には、収益を最大化できる可能性があるとされます。また、乗客にとっても平均価格の下落といった点でメリットがあるとされます。

リアルタイムでの需要予測に基づいたダイナミックプライシングが今後他社に広がっていくのか、今後に注目です。

【関連記事】JR北海道のダイナミックプライシング導入について解説した記事

5月29日 首都圏の鉄道事業者8社 磁気乗車券からQRコードを利用した乗車券への置き換えについて発表

【こんな人向け】駅で使用される券売機や改札機の製造・保守に関心のある人
【解説】磁気乗車券を利用した仕組みの特殊性
首都圏の鉄道事業者8社は、磁気乗車券を使用している鉄道の近距離きっぷについて、2026年度末以降QRコードを使用した乗車券に置き換えると発表しました。

もともと関西圏の私鉄で自動改札機と共に導入がはじまった磁気乗車券は、記録可能な情報量を増やすなどの進化を経て徐々に普及が進み、いまではJRや多くの私鉄に普及しています。

一方、現行の自動券売機や自動改札機は、磁気乗車券の発売や読み取りを高速かつ正確に行う複雑な機構を搭載しているため、その製造やメンテナンスには、一定のコストや技術を要します。

また、磁気乗車券は特殊なロール紙を使用しているため製造にコストを要するほか、材料に金属を含むため、リサイクルをする際には一定の負荷が環境にかかります。

これらの問題を解決するべく、QRコードを使用した乗車券への置き換えが発表されたというわけです。

注目したいのは、このニュースが鉄道事業者のみならず、券売機や改札機の製造・保守に関わっている企業にも影響のあるテーマであること。削減傾向にある券売機はさらに減少するのか、また新たな改札機の導入につながるのかといった点が注目されます。

終わりに・関連リンク

5月のプレスリリースまとめは以上になります。
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前回(4月)のプレスリリースまとめはこちら

JR東日本が発表した「JRE BANK」サービス開始や、JR東海が発表した東海道新幹線への個室連結などについて取りあげています。
ぜひご覧ください!

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