見出し画像

【車両の製造やメンテナンス】「鉄道車両機械」に関わる会社その2:「鉄道車両」

この記事は、こんな方に向けた記事です。

鉄道に関わる仕事をしたいが、事務系統や運転系統ではなく、車両の製造や保守に関わりたい方

この記事では鉄道車両の製造や保守に関わる会社を紹介します。なお、このnoteアカウントでは以前、「鉄道車両機械技術」についての業界解説記事を投稿しておりますので、そちらも合わせてご覧ください!

  • 取り上げている会社はあくまで一部です。

  • 会社名を太字にして取り上げています(敬称略)。

  • 鉄道施設の会社紹介記事同様、会社名がリンクになっている会社については「交通新聞 電子版」で検索した結果を見られるようになっています


鉄道車両の製造に関わる会社

鉄道車両の製造が主たる事業である会社と、鉄道車両の製造は数ある事業のうちの一つといった位置付けの会社に分かれます。
就活生のみなさんからすると、入社後に鉄道に関わる仕事をする可能性がどの程度なのか、という点で重要な分類ではないでしょうか。

鉄道車両の製造が主たる事業である会社

こちらの分類では、

  • 近鉄グループに属している近畿車輛

  • 阪急阪神東宝グループに属しながら路面電車向けの製造に強いアルナ車両

  • JR東海グループに属し、新幹線から在来線まで幅広く鉄道車両の製造を手掛ける日本車輌製造(日本車両)

  • JR東日本グループに属し、ステンレス車両の製造に強みを持つ総合車両製作所(旧東急車輛製造)

といった企業があります。

日本車両の場合は産業用機械の製造、総合車両製作所の場合は鉄道コンテナの製造、といったように鉄道車両以外の事業領域もありますが、やはりメインの事業は車両製造です。

一方で、気動車や除雪車に強みを持つ新潟トランシスのように鉄道会社とは資本関係のない会社も存在します。

鉄道車両の製造は数ある事業のうちの一つといった位置付けの会社

こちらの分類には日立製作所川崎車両(2021年10月に川崎重工業から分社化)といった会社があります。
いずれもグループとして車両製造以外に鉄道事業を広く手掛け、また鉄道事業以外にも様々な分野で事業を展開する会社です。

就活生必見! 鉄道車両の製造に関わる方へのインタビュー記事

鉄道就活応援隊では、総合車両製作所横浜事業所で車両製造に必要な治具の設計や、生産設備の計画や検討、そして導入を担っている社員の方にインタビューを行っています。ぜひご覧ください!

また、日本車両豊川製作所で鉄道車両の艤装設計を担っている社員の方にもインタビューを行っています。JR東海の最新型特急車両、HC85系の開発秘話も載った記事はこちらからどうぞ!

鉄道車両の保守に関わる会社

鉄道車両の保守に携わる会社には、大きく分けて以下のような分類があります。

①技術系の一部門として車両整備部門を持つ鉄道会社
②鉄道会社のグループ会社として、車両整備を事業内容とする会社
③独立して車両整備を事業内容とする会社

以下、それぞれの分類にどのような会社があるか見ていきます。

①技術系の一部門として車両整備部門を持つ鉄道会社

これらの会社では、鉄道会社の技術部門として、事務系とは別系統に採用が行われていることが多いです。
また、比較的中規模から小規模の鉄道会社では、車両部門が車両の保守を計画から実施まですべて担当することが多いのも特徴です。

一方で、大規模な鉄道会社ではグル-プの中に②のような車両整備を事業とする会社を持つことが多いです。

その場合は、鉄道会社が整備の計画や指示を行い、②の会社が実際のメンテナンス作業を行う、というような役割分担が一般的です。

では鉄道会社の社員は現場に行かないかというとそういうわけではなく、
「鉄道会社の社員が②の会社に出向して実際の作業を経験する」
といった形の人材交流が行われていることも多いです。

実際の働き方は会社ごとに違いの出る部分ですので、説明会や採用サイトでよく確認しましょう。

②鉄道会社のグループ会社として、車両整備を事業内容とする会社

これらの会社は、先述の通り大規模な鉄道会社のグループ会社であることが多く、その場合は勤務地も鉄道会社の事業エリアに準じることになります。

  • 東京メトログループでいうメトロ車両

  • JR東海グループでいう東海交通機械

  • 京王グループでいう京王重機整備

  • 小田急グループでいう小田急エンジニアリング

といった会社がこれに当たります。鉄道会社と協力しながら、より現場に近い作業を多く担うのが特徴です。

車両の改造を担ったり、車両基地の設備の保守を担う場合もあるほか、鉄道会社との関係性やグループ内の別会社との関わりによって業務の範囲は変わります。
たとえばJR東日本グループでは、JR東日本テクノロジーJR東日本運輸サービスではそれぞれ担っている領域が異なります。

自分の持っているイメージと実際の仕事の様子をすり合わせるためにも、様々な会社の業務を比較して検討することをお勧めします。

③独立して車両整備を事業内容とする会社

これらの会社は特定の鉄道会社のグループに属しないという意味で、他の2つと比べるとやや珍しい存在と言えます。

かつては鉄道車両の製造も行っており東武鉄道との関係が深い津覇車両工業、ディーゼル機関車や新交通システムで運行される車両の台車の保守・整備に強みを持つ明希工業などの会社があります。

就活生必見! 鉄道車両の保守に関わる方へのインタビュー記事

こちらは、小田急グループの小田急エンジニアリングにおいて、小田急電鉄を中心とした各社の車両のメンテナンスを担う方にインタビュー記事です。
はじめてVSEが入場してきたときのエピソードや、相模大野にある事業所で作業をしている際の写真が豊富に掲載されています。

こちらは、JR東日本グループのJR東日本テクノロジーにおいて、首都圏のJR東日本在来線車両のメンテナンスを担う東京支店、JR東日本の新幹線車両のメンテナンスを担う新幹線事業所、それぞれで活躍する社員の方にインタビューを行っています。

どの記事も、実際に鉄道車両の保守に関わる方々に、お仕事のやりがいや一日のスケジュール、学生のみなさんへのメッセージを聞いた、非常に濃い内容となっています。ぜひご覧ください!

車両に搭載される機器に関わる会社

鉄道車両は非常に多くの機器で構成されています。その分、関わる会社の数も大変多いです。

たとえば、前回の記事においてホームドアの製造会社として名前の挙がったナブテスコは、鉄道車両のブレーキシステムやドアでも実績があります。機械系以外だと、車両の前照灯や車内のLCDディスプレイに強みを持つコイト電工のような会社もあります。

おわりに

幅の広い鉄道車両機械の領域から、今回は「鉄道車両に関わる会社」というテーマで、会社をいくつかご紹介しました。

鉄道車両と一口に言っても、新幹線の車両、在来線の機関車、電車、気動車、さらには保守用車両など多種多様な車両があり、製造や保守でそれぞれに強みを持つ会社があり、そこから取引先や保有する設備などに会社の特色が出ます。

他にも勤務地や自らの関わりたい仕事の内容、将来の展望など様々な判断材料があります。
この記事で紹介した内容はごく一部になりますので、会社ごとの採用ページや説明会も参考にして、ぜひあなたに合う進路を考えてみてください。

紹介した会社(記事登場順)

記事中に登場した会社を列挙しています。各社ごとの募集状況の確認までは行っておりませんのでご了承ください。

最後になりますが、この記事が参考になったりいいな、と思っていただけたりしたら、ぜひ記事の「スキ」とnoteアカウントの「フォロー」をお願いします!

そして鉄道就活応援隊ではX(Twitter)アカウントも運営しています。主な内容は、そのときどきのニュースや過去の記事の紹介などです。noteの更新も通知しているので、あわせて見るとより便利です。
ぜひフォローしてください!

関連記事

「鉄道業界紹介記事」シリーズのマガジンです。鉄道車両機械以外にも、鉄道に関わる様々な仕事への解説記事があります。

※2023年2月21日 関連記事・Twitterアカウントへのリンクを追加しました。
※2023年3月10日 見出しと本文について一部の表現を修正しました。
※2023年4月14日 関連記事へのリンクを追加・一部の表現を修正しました。
※2023年5月11日 タイトルを分かりやすいものに変更しました。
※2024年1月23日 「鉄道車両の保守に関わる方へのインタビュー記事」の項を追加しました。
※2024年3月18日 本文について一部の表現を修正しました。