見出し画像

(後編)専門性の高い実践的なカリキュラムで学び、鉄道員の夢を掴んだ二人の学生と、支えた先生へインタビュー!【国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校鉄道科】

国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校におじゃまして、東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロと表記)に内々定が決まっている学生お二人と、講師の響先生にお話を伺った特別インタビュー。

前編では、主に学生のお二人に就職活動を振り返っていただき、心がけていたことや、息抜きなどについてお話を聞きました。
後編の今回では、鉄道業界への就職支援を行い、また自身が鉄道業界で働いていた経験のある響先生が考える、鉄道業界における就職事情の変化、鉄道業界で働く魅力や心構えについて語っていただいています。

それはどうぞ!


鉄道業界における就職事情の変化

――鉄道業界における最近の就職事情について、以前との変化はありますか? 

 鉄道業界はコロナ禍で活動を縮小したこともあり、退職者が多くなりました。その反動で現在は人材不足になっていて、求人数は増えています。

ただ運転関係は適性の有無が重要で、採用数も一定であるので増減は特にありません。ただ運転士や車掌はもちろん、全ての職種で適性があるかどうかを調べるクレペリン検査が重要視されるようになっています。

――鉄道業界に進むにあたって持った方が良い心構えはありますか? 

 学生や若い方によく言っているのですが「よく挨拶をする」ということです。「上司や先輩に言われたことは素直に実行すること」も大切です。他には「ルールや時間を守る」というのが基本です。

動作を含め、基本を素直にしっかり行うのが鉄道業界では大事なのだそうです。

また、私も鉄道業界で働いていたのでわかるのですが、この業界は体育会系です(笑)
特に挨拶はコミュニケーションのスタートでもあるので、きっちりできるように指導しています。 

鉄道業界に入って運転士を目指す人も多いと思いますが、元運転士としての経験から言うと、「先を読む力」「視野を広く持つこと」の2つが必要になります。また高速で走行している最中でも、いつもと違う線路内の状況の「わずかな変化にも気づく」ことも大切です。 

鉄道業界で働くことの魅力とは?

――鉄道業界で働く魅力とは何だと考えていますか? 働いていた経験のある響先生からお願いします。

 企業としては安定していることですね。また運転士になった時は、大きな車両を自身の手で動かしているんだ、という実感が強く湧いてきます。当日の天候や車両の個体差、コンディションに合わせて運転するのはやりがいがありました。

また、何より私は小さい頃から鉄道が好きだったので、憧れの仕事に就けるという喜びがありましたね。

――これから鉄道業界へ踏み出すお二人はどうですか? 

松本 運転士になりたいと思ったこともありましたが、千葉駅で接客の実習をしたときに、人助けができる仕事であるところに魅力を感じました。人の役に立つだけでなく、自分のモチベーションも上がるので仕事に対する姿勢も良くなります。 

大𣘺 響先生と同じで、企業として安定しているところが一つの魅力です。それは就活生全体にも言えることだと思います。

また内定を頂いた東京メトロに関して言えば、日本の経済や人、文化の中心である首都圏を動かす大きな交通インフラであるということが一番の魅力ですね。 

――入社したら成し遂げたいことはありますか?

大𣘺 東京メトロでのキャリアアップを目指します。鉄道業だけではなく、それ以外のことにも視野を広げて学んで、新しい事にも挑戦していきたいです。

松本 接客するのが好きなので、お客様へのプラスαな心配りでおもてなしをしていきたいです。鉄道をより快適な空間として提供したいです。

――進路を考えた時に他の業界と比べて悩んだことはありませんでしたか?

大𣘺 鉄道業界以外ではホテルのフロントをやってみたいと考えたこともありました。旅行でよく利用した某ビジネスホテルのフロントが格好良かったので憧れもしました。
でも、やはり小さいころからの憧れもあって、鉄道業の東京メトロを選びました。

苦労もありますが……

――鉄道業界は部署によって泊まり勤務や接客がある仕事ならではの苦労もありますが、そこはどの様に受け止めていますか?

松本 もちろん大変だという話は聞いているのですが、体験したことが無い事も多いので逆に楽しみです。だから不安もあまりありません! 

大𣘺 深夜勤務や泊まり勤務は大変だと思います。ただ2~3日で勤務のローテーションが決まっているようなので、普通のサラリーマンと違って毎日の通勤時間でストレスを受けるということが無いかもしれません。実家から職場までは離れているので、泊まり勤務の「起きたらすぐ職場」というのは便利に感じます(笑)

――捉え方がポジティブで素敵ですね……! 鉄道業界で働いていた経験のある響先生はいかがですか?

 鉄道業は運輸も駅務も列車運行時にトラブルが発生したり、様々なお客様へのご対応をしなくてはならなかったりと、ストレスがたまることはあります。

だからストレスをうまく発散したり、かわす方法を覚えていく必要はありますね。ただ業務に責任とこだわりを持つことは大切です。それが仕事の楽しさへとつながります。

鉄道業は駅務も運輸も整備も目に見えないたゆまぬ努力の上に、お客様が求める「日常の当たり前」があります。その「日常の当たり前」を守り続けることは大変なんです。
学生のみなさんには、鉄道業がそういうお仕事であることを知ってほしいですね。

就活生のみなさんへのメッセージ

――就活に臨む後輩へのメッセージをお願いします! 

大𣘺 常に笑顔を忘れず、就職を目指す企業をとことん好きになってください!  
また、焦りすぎないことも大事です。私はSPIで3問答えてから次の画面に行かなければいけないところを1問しか答えずに次の画面へ移ったりしてしまったこともあったりしましたが、落ち着いてリカバリーすることでなんとかなりました。ミスをしても、切り替えてがんばることが大事です!

松本 鉄道だけではなく、色々な方面を学んで吸収する努力を忘れないで下さい。私は自分の不甲斐なさに泣くこともありました。でも負けず嫌いだからこそ奮起して努力しました。悩みを取り除くのは自分自身の努力しかありません。

 さっきも言いましたがいつも元気よく挨拶して、頑張って勉強してください。就活は大変です。だからこそ待ったり受け身になったりせず、情熱を持って自ら夢を掴みにいくという積極的な姿勢を忘れないでください。

――みなさん、ありがとうございました!

実習室のモックアップの前で。

編集部より

長時間のインタビューで感じたのは、お二人の情熱と響先生のまなざしの暖かさでした。

悔しさをバネに企業研究を重ねた松本さん、採用担当の方の言葉に共感して道を決めた大𣘺さん、どちらも自分なりの思いを持った上で、授業や就職支援を通じて準備を進め、それが選考でしっかりと発揮できたことが内定につながったのではないかと感じました。

この記事が公開される4月は、多くの方が就職活動をしている最中と思います。自身の思いをしっかり形にできるように掘り下げること、そして企業について調べること。この2つを覚えておいていただければと思います。

今回紹介させていただいた学校

学校法人中村学園 国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校鉄道科

千葉市中央区に設立された観光科や国際ホテル科、鉄道科など業界に特化した8つの学科を有する未来のスペシャリストを育てる専門学校。

各分野の経験者を講師に招き、実践的な技術や専門知識に加え、心の成長とハートフルな人間形成を目指した少人数制の授業を展開しています。
鉄道科の卒業生たちは東京地下鉄株式会社(東京メトロ)や東海旅客鉄道株式会社(JR東海)、東急電鉄株式会社など、数多くの鉄道会社で活躍しています。

2024年3月取材
聞き取り・撮影:助川康史(マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ)
企画・構成:交通新聞社
※記事中の情報は、この記事を公開した当時のものです。
※採用についてではなく記事の内容についてのお問い合わせは、交通新聞社HPからお願いいたします。掲載されている企業・個人へのお問い合わせはご遠慮ください。