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【改札機や券売機、ホームドアなど】「鉄道車両機械」に関わる会社その1:「駅にある機械」

改札機、自動券売機、ホームドア……現代の鉄道の駅には様々な機械があります。もちろん鉄道車両にも、様々な機械が搭載されています。

このnoteアカウントでは以前、そんな様々な機械に関わる「鉄道車両機械技術」についての業界解説記事を投稿しましたが、読んでいただけたでしょうか。

この記事では車両に関する話題が中心になりましたが、車両以外にも、駅にある改札機やエレベーターなどの機械から、北国で活躍する除雪機や融雪機などの機械まで、鉄道車両機械技術の領域は非常に幅広いです。
その中から、今回は「駅にある機械」に関わる会社について取り上げていきます。

  • 取り上げている会社はあくまで一部です。

  • 会社名を太字にして取り上げています(敬称略)。

  • 鉄道施設の会社紹介記事同様、会社名がリンクになっている会社については「交通新聞 電子版」で検索した結果を見られるようになっています


駅にある機械 その1:駅務機器とは?

最初に取り上げるのは駅務機器です。
駅務機器というのは、改札機や券売機、精算機といった運賃の計算と収受を行う機器の総称です。
駅は鉄道を利用する人にとって非常に身近な場所ですから、鉄道に関わる仕事を探す中で、駅で使われるような機械に関わる仕事をしたい、というのは自然な流れと言えるでしょう。

顔認証の導入も進む自動改札機

先日小学館から発売された子供向け雑誌『幼稚園』の2022年5・6月号の付録が自動改札機で、その再現度の高さが話題になりました。この自動改札機は駅務機器です。ちなみに、この『幼稚園』2022年5・6月号は、実際のメーカーであるJR東日本メカトロニクス(JR東日本グループ)が監修したそうです。

自動改札機ではきっぷやICカードを読み取ると、瞬時に有効日の判定や運賃・料金の計算などの処理を行い、通過の可否を判断します。

近年では顔認証改札機の導入が始まっており、2023年3月18日に開業した大阪駅(うめきたエリア)では、実際に一般の利用客が体験できるようになっています。この改札機の製造を担っているのは、JR西日本グループのJR西日本テクシアです。

このほか、Osaka Metroでは、駅務機器メーカーとして著名な高見沢サイバネティックス製の顔認証改札機を2024年度中に全線に導入する予定だと発表しています(顔認証システムの開発はパナソニックコネクト)。

鉄道会社の施策との関わり――多機能化が進む券売機

鉄道を利用するときにきっぷを購入したり、最近ではICカードのチャージや係員との遠隔通話にも対応するなど多機能化が進む自動券売機や、定期券を発行するための定期券発行機といった機械も駅務機器です。

近年では様々な鉄道事業者で人件費抑制等を目的とした駅窓口の縮小・廃止が相次いでいますが、このような状況下でもサービス低下を防ぐために導入されているのが多機能化された券売機です。

たとえば、JR西日本などで導入されている「みどりの券売機プラス」ではオペレーターやAIが購入をサポートしてくれます。

その他の駅務機器に関わる会社

駅務機器に類似した機能を持つ機器はテーマパークなどにも設置されていますが、複雑な運賃計算を瞬時にかつ大量に行う必要性などは鉄道ならではと言っていいでしょう。
そのため、駅務機器の製造には高い技術力が必要です。

国内で駅務機器を製造しているメーカーには、先述のJR東日本メカトロニクスや高見沢サイバネティックスの他にも、シンフォニアエンジニアリングといった会社があります。

これらの製造メーカーがメンテナンスまで行う場合もありますが、JR東海グループの東海交通機械などのように、メンテナンスに特化した会社が担う場合もあります。

また、これらの会社には、もともと鉄道分野で事業を展開していたところから、培った運賃計算やICカードの技術を活かして鉄道以外の領域に踏み出す会社もあります。
会社選びをする際には、その会社が他にどのような事業部門を持っているかというのも基準の一つとしてみましょう。

駅にある機械 その2:駅務機器以外

駅には、駅務機器以外にもエスカレーター、エレベーターといった昇降機や、ホームドアといった機械があります。
特に、ホームドアを製造している会社は、いずれも鉄道関係の事業に強みを持つメーカーばかりです。

例を挙げれば、鉄道信号に強みを持つ京三製作所日本信号、駅務機器で社名の挙がった高見沢サイバネティックスなどの会社、鉄道車両を製造する川崎重工日立製作所といった会社などがホームドアを製造しています。

また、自動ドア全般や鉄道車両のドア・ブレーキに強みを持つナブテスコもホームドア事業で存在感を持っており、JR西日本・JR西日本テクシアと共同して新型のホームドアを開発したこともあります。

ホームドアの整備は都市部でも進行中の課題であり、社会的な注目も高い分野ということもあって、様々な形態のホームドアの研究開発が進められています。ホームドア関連の交通新聞記事はこちらから。

おわりに

幅の広い鉄道車両機械の領域から、今回は「駅にある機械」というテーマで、会社をいくつかご紹介しました。

今回取り上げられなかった車両関係含め、他の領域に関してもいずれ取り上げる予定です。普段の利用時から意識して見てみると、あなたの専攻や興味関心と鉄道が交差する意外な接点を見つけられるかもしれません。

また、他の分野でもそうですが、今回紹介した会社の中にも、鉄道に関わる事業を主とする会社と、鉄道関連の事業は事業のうちのひとつといった位置づけの会社があります。自らの興味関心などと照らし合わせて、会社選びの参考にしてくださいね!

紹介した会社(記事登場順)

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鉄道車両機械技術の分野は、ホームドアの製造など、バリアフリー化にも関係が深い分野です。こちらの記事で鉄道のバリアフリー化について解説しています。

「鉄道業界紹介記事」シリーズのマガジンです。鉄道車両機械以外にも、鉄道に関わる様々な仕事への解説記事があります。

※2023年2月21日 関連記事・Twitterアカウントへのリンクを追加しました。
※2023年3月28日 顔認証改札機の記述などを追加しました。
※2023年5月11日 タイトルを分かりやすいものに修正しました。