鉄道業界志望の学生必見! エントリーシート(ES)のルールと文章術
「鉄道業界就活のキホン」シリーズその2は「エントリーシートのルールと文章術」です。シリーズをまとめたマガジンはこちら。
この記事では、エントリーシートを書くときに気をつけたいルールやちょっとしたコツ、志望動機やガクチカがしっかりと伝わりやすい文章を書くための極意をお届けします。
なぜエントリーシートの提出を求められるのか・エントリーシートの持つ意味
エントリーシートは、何のために書かれて、読まれるのでしょうか。
企業側に聞くと、学生の基本的な情報を知りたいという採用担当者もいれば、全員を面接するのは物理的に不可能なことが多いために書類選考を実施する利用するという採用担当者もいます。
このように、一口にエントリーシートといっても選考においての意味や重要度は鉄道業界でも企業ごとに異なります。そのため、エントリーシートの内容についても100%の正解というものはない、というのが現実です。
とはいえ、鉄道業界に限らず、どのような企業に提出するにしても気をつけたい基本的な項目があるのも事実。このページでは、エントリーシートを書く上での基本的なルールについて解説します。
エントリーシートで必ず押さえておきたい基本事項とは
正式名称を使う
たとえば「アルバイト」を「バイト」と表記したり、「バドミントン部」を「バド部」と表記したりといった略記はなるべく使わないで書くことを意識しましょう。同様に、アルバイト先の業界用語など、一般に伝わらない表記はやめましょう。
西暦と和暦の書き方を揃える
生年月日や学歴などで年月日を記載する際は、西暦で表記するのか和暦で表記するのかを統一しましょう。
生まれ年や浪人・留年の年数などを入力すると、自動で入学・卒業の年や和暦を計算してくれるWebサイトもありますので適宜活用しましょう。
(手書きの場合)綺麗でなくてもいいから丁寧な字で書く
綺麗で美しい字が書けるに越したことはないですが、意識したところで急に字が上手くなるというわけにもいかないのが現実。まずは、丁寧に読みやすい字を書くことを意識しましょう。
また、書き損じが出ることも考慮に入れて、書くための時間や手元に用意する履歴書の枚数にはあらかじめ余裕を持っておくと慌てずに済みます。
志望動機やガクチカを伝わる文章にするために
①結論は最初に、端的に書く
結論を最初に書き、そう考えた理由などはその後に続けて書く。こうすることで、冗長で主張の分かりづらい文章になることを避けられます。
また、結論はなるべく端的に書きましょう。結論に含まれる要素があまりにも多いと、読む側は何を読み取ればいいのかが分かりづらくなり、混乱します。
社員数や採用担当部署の規模にもよりますが、担当者は一斉に送られてくる数百枚ものエントリーシートを読むことになります。JR各社や大手私鉄など名前が広く知られている企業ではなおのことです。
そのような状況では、主張が分かりづらい文章が載っているエントリーシートではマイナスの印象になりがちです。
また、結論を最初に書くのは社会人になった後にも必須の技術でもあるため、学生のうちから意識しておきましょう。
②論理的な文章を書く
読み終わった際に、最低限「なぜその結論なのか」「どうしてその話をしたのか」という2点がすぐに伝わるような文章になっていることが望ましいです。
これは文章が読みやすく、かつどのような点がアピールポイントなのかをはっきり示すために必要だからです。
極端な例ですが、
という文章を読んだ採用担当者が「なるほど、だからこの人はうちの会社を志望してきたのか」と思う確率は低いでしょう。
「野菜が好き」と「鉄道に関わる仕事がしたい」の間に因果関係が見出せません。また、「ピーマンが好きで……」のくだりも、なぜ鉄道業界の企業に提出するエントリーシートで書いたのかは分かりません。
一方で、
実際は字数制限もあるので、鉄道の優位性については要約が必要ですし、逆にどのような仕事に取り組みたいかは具体的に書く必要があります。
ただ、少なくとも先ほどの文章よりは
「物流で排出される温室効果ガスが環境に与える影響を知る」
→「温室効果ガスの排出量が少ない輸送手段の活用が必要」
→「その中でも鉄道は優秀」
→「だから鉄道業界を志望」
という、結論に至るまでの論理が分かりやすくなったと思います。内容としても無駄がありません。
書いたら自分で何度も読み返すのはもちろん、可能なら他人に読んでもらうことをお勧めします。相手は友人でも大学の先生でも家族でも構いません。
内容が相手にどれくらい伝わっているかを聞くことで、改善のヒントを得られるでしょう。
特に、部活の競技やアルバイト、専攻の内容などは「書いている人にとっては常識でも、馴染みのない読み手には伝わらない」という事態が起きがちですので注意しましょう。
③問われる「なぜ」を想定しておく
「どうしてこの話をしたのか」にも通じるポイントですが、「なぜこの内容を書いたのか」を聞かれたときに答えられるようにしましょう。面接で質問されることの想定にも繋がります。
特に志望動機に関して、鉄道業界の企業は様々な分野に事業領域を広げていることも多いので、「なぜこの業界か」「なぜこの会社か」が読んだ人に伝わるような内容になっているかは必ず意識しましょう。
言葉遣い
いわゆる「ですます調」と、「~である」「~だ」という表現のどちらを用いても問題はないですが、混在させることは避けましょう。統一感のない文章は読む側に不安を与えてしまいますし、ノイズとなります。
また、一人称は「ぼく」「あたし」などの口語は避け、「私」で統一しましょう。
生成AIについて
近年、急速に普及している生成AIですが、使用する場合にはいくつか注意したいことがあります。
生成AI使用時の注意点① 企業が提示しているルールに従う
すでに「生成AIをES等に用いることを禁止」している企業もあるようです。そういった注記がある場合は、生成AIの使用を控えましょう。AIによって生成された文章かどうかを完全に判定する手段は今のところありませんが、後に使用していたことが知られたとき、不正行為があったとして選考中止となることも考えられます。
企業ではありませんが、東京大学ではレポートや論文等の課題提出に、生成AIが作成した文章をそのまま自分の文章として用いることは、不正行為に当たると学生にアナウンスしています。
生成AI使用時の注意点② 必ず自分自身でチェックする
生成AIが生成した文章をそのまま自分の文章にすることはやめましょう。生成された文章が、自分の意図や思想を正確に反映しているとは限りません。仮にそれで書類選考が通ったとしても、ESが自分の言葉で綴られていないので、面接でボロが出ることでしょう。
また、生成AIが提示した文章が必ずしも正しいとは限りません。他人と類似している可能性もあり、独自性が失われたESでは他の応募者との差別化が図れない場合もあります。整合性はもちろんですが、倫理的に大丈夫かといった判断を下すためにも、自分自身でチェックすることが必要です。
生成AI使用時の注意点③ 個人情報は入力しない
これは生成AIに限らず、ネットリテラシーの問題でもありますが、個人情報や機密情報は入力しないようにしましょう。自分の意図しない場面で、見知らぬ人を介して情報が流出する恐れがあるためです。
生成AIが活躍する場面
生成AIは補助的な使い方が向いています。具体的には、アイデアの壁打ちや構成の提案、表現の改善提案、誤字脱字や体裁の一次チェックなどです。これらの作業はもちろん自分でも行う必要がありますが、生成AIに補助的な役割を担ってもらうことで、そこにかかっていた時間を他のことに使えるようになるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで、エントリーシートを書く上での基本的な事柄について触れてきました。
まとめると、
以上です。
既にエントリーシートを書いたことのある人は、改めて見返すことで改善点を見つけられたのではないでしょうか。
この記事を参考に、ぜひあなた自身のエントリーシートをより良いものにしてみてください。
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※2024年3月5日 記事の内容を一部修正しました。
※2024年3月19日 生成AIに関する内容を追加しました。