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【GoA2.5自動運転の実施/スルッとQRtto発表など】鉄道業界 就活生が気になるプレスリリースまとめ【2023年12月】

気付けば、あっという間に2024年になっていましたね。
相変わらず寒さは厳しいですが、就活本番となる春も近づいています。体調に気を付けていきましょう。

さて、鉄道就活応援隊のX(旧Twitter)では、鉄道業界各社のプレスリリースから就活生向けの話題をピックアップして、不定期にお届けしています。

プレスリリースを読むのは単なる情報収集だけではなく

・企業がどういった考えで施策を打っているのか
・自分の目指すことと、その企業の考えに重なるところがあるか

といったことを探るのにも有効です。

今回の記事では、そんなプレスリリースについてのツイートから2023年12月の1ヶ月間をピックアップ。140字の制限があるX(旧Twitter)では伝えきれなかった事象も加えながらお届けします。

なお、日付はプレスリリースの発表日ではなく、鉄道就活応援隊でツイートした日ベースですのでご注意ください。それではどうぞ!


12月4日 JR九州 2024年3月から香椎線でのGoA2.5自動運転を営業列車で実施すると発表(11月30日発信)

【こんな人向け】鉄道における自動運転に関心のある人
【解説】実証運転と検証の末、ついに実現する営業列車におけるGoA2.5自動運転
福岡県を走る香椎線は、福岡市内と隣接する糟屋郡の3町を結ぶ、一般的な通勤・通学路線です。踏切があり、現在は運転士の資格を持った乗務員が列車を運行しています。

その香椎線で2024年3月からはじまるのは、運転士資格を持たない乗務員が先頭に乗務する形での運転であり、香椎線のように踏切のある一般的な路線での営業運転は国内初です。

JR九州では、日本信号と協力し、従来型の保安装置であるATSをベースとしたATS-DKを利用して初期投資のコストを抑えつつ、ドライバレス運転の実現を目指して実証運転を重ねてきました。その成果がついに実を結びます。

【関連記事】

12月12日 JR東海 新幹線の架線を高速走行中に検査可能な新しい検査装置の開発を発表

【こんな人向け】鉄道の電気設備に関心のある人や、画像認識などのAI技術に関心のある人
【解説】メンテナンスの高度化・省力化
従来、架線や線路の状態は、作業員による徒歩巡回や、専用の車両を用いて行われてきました。
一方、これでは検測を実施できる頻度に限界がある上に、労働人口の長期的な減少が懸念されていました。
そこで近年では、センシング技術や通信技術の向上を活かし、営業列車に機器を搭載して検測を実施する新たな手法が採用され始めてきています。

これにより、検測の頻度を増やし、かつAIを活用した画像認識により状態判定を行う高度化、作業員の巡回を減らす省力化を図るというものです。
電気系に興味のある学生の方は、ぜひこのトレンドを意識していただければとも思います。

【関連記事】

12月14日 スルッとKANSAI協議会 QRコードを活用した新しいデジタル乗車券サービスの開始時期と名称「スルッとQRtto(クルット)」を発表

12月20日 JR西日本 QRチケットサービスの2024年下期以降の導入を発表

【こんな人向け】デジタル乗車券サービスに興味のある人
【解説】導入進むQRコードを利用した乗車券サービス
スルッとKANSAI協議会は、複数の事業者間で共通化され広く利用されていた磁気式プリペイドカードの規格「スルッとKANSAI」に関わる業務を受託する組織です。
非接触式ICカードの普及などにより「スルッとKANSAI」に対応するカードの利用は減少していきましたが、同協議会には現在も関西を中心に岡山県、静岡県を含めた広い範囲の鉄道・バス事業者が多数登録しています。

今回サービス名が発表された「スルッとQRtto(クルット)」においても、サービス開始時の導入事業者7者はいずれも同協議会の加盟者です。 
サービス内容や導入事業者は今後も拡大されるとのことで、要注目です。

他方、国内で導入の相次ぐ「stera transit」ではクレジットカードのタッチ決済とQRコードを利用者乗車券サービスが一体となって導入されています。「スルッとQRtto」ではQRコードのみを対象としており、同協議会の加盟者には南海電鉄のようにクレジットカードのタッチ決済を導入している事業者もあります。
他の加盟者の間でクレジットカードのタッチ決済が広がりを見せるのかも、注目すべきポイントと言えます。

JR西日本の方は「KANSAI MaaS」や「tabiwa by WESTER」での展開ということで、QRチケットサービスの利点を活かし、既存のデジタルサービスの価値向上を図っていくものとみられます。

QRチケットサービスの導入予定エリア。プレスリリースより引用

発売される券種や内容は未定ですが、導入予定エリアは近畿地方の広範なエリアにわたっており、ちょっとしたお出かけから宿泊を伴う観光にまで使えるような可能性が感じられます。今後に注目です。

12月15日 JR九州 九州新幹線と、高速バスB&Sみやざきを使用した貨客混載実証実験の実施を発表

【こんな人向け】旅客鉄道における新たなビジネス・荷物輸送に関心のある人
【解説】貨客混載輸送の可能性
B&Sみやざきは、JR九州バスを含む3社が共同で運行している高速バスです。一般的な高速バスと違うのは、バス路線でありながら、ダイヤ設定や案内などで九州新幹線との強いつながりを持つ点です。

プレスリリースより引用

熊本県の新八代駅と宮崎県の宮崎駅西口を結ぶB&Sみやざき。
そのB&Sみやざきを九州新幹線と組み合わせて利用することで、博多方面から宮崎方面の移動において、在来線特急や高速バスのみでの移動と比べて所要時間が短縮できるのです。

九州新幹線で実施されてきた貨客混載輸送の「はやっ!便」にB&Sみやざきを取り込もうという今回の実証実験にも、そういった九州新幹線とB&Sみやざきがあると思われます。

貨客混載輸送は新たな営業施策の一つとして、JR私鉄問わず様々な形で実施されるようになっています。詳しくは関連記事からどうぞ!

【関連記事】

12月20日 東京メトロ・ヤマハ 駅でのアナウンス音声を利用者の端末に文字表示できるシステムを試験導入することを発表

【こんな人向け】鉄道利用のユニバーサルデザインに関心のある人
【解説】音のユニバーサルデザイン
プレスリリースの要旨としては、

  • 駅係員の操作で多言語アナウンス音声を放送できる業務用アプリ「おもてなしガイド for BIZ」を、ほぼ全駅で導入

  • さらにその中から7駅に「トリガーボード」を試験設置

というものです。
この「トリガーボード」には利用者が手元の端末をかざすと、「おもてなしガイド for BIZ」で放送した音声が文字で表示されます。新たにアプリをインストールすることなく、聴覚障がいのある方や訪日外国人旅行者に対して視覚的に情報を伝達することができるようになります。

これにより、多様な利用者に対して更にスムーズな案内が実現されることが期待されます。

終わりに・関連リンク

2023年12月のプレスリリースまとめは以上になります。
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前回(2023年11月)のプレスリリースまとめはこちら

踏切事故の防止にAIの画像認識技術を活用するとした発表や、JR東海が発表した水素動力車両の開発について取りあげています。

2023年12月の鉄道就活応援隊記事一覧はこちら

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