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【就活生向け】「今では機動の仕事に誇りとやりがいを感じます」複数の駅をカバーしてお客さまに寄り添う「機動」のプロ意識【社員インタビュー:東海交通事業・機動係員】

こんにちは、鉄道就活応援隊編集部です。
鉄道に関わるお仕事に携わっている方へインタビューを通じて、その仕事についてのお話を伺う「鉄道ゲンバ最前線!」。

第5回は、前回の飼沼さんに続き、株式会社東海交通事業(愛知県名古屋市)から、機動と呼ばれる業務に携わる加藤さんにインタビューしました。

機動とはどんな業務なのかを取材するうちに、駅係員無配置の駅に迅速に駆け付け、お客さまに寄り添いながら地域の顔を守るプロ意識を感じることができました。

それではどうぞ!

自己紹介と入社のきっかけ

――本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、自己紹介と入社のきっかけをお願いいたします。

本社の会議室でインタビューに応じてくれた加藤さん。

加藤 三河事業所・東刈谷駅で機動担当として勤務する加藤哲(かとうさとる)38歳です。2010年10月入社の13年目です。

元々鉄道業界を志望していたのですが、愛知県内の大学を卒業後、アミューズメント施設を運営する会社に入社しました。そこで働く中で、鉄道業界への夢をあきらめきれず、当時の職場の仲間から東海交通事業の話を聞き、転職活動を経て入社しました。

入社後は東海道線の東刈谷駅、三河安城駅、三ケ根駅、幸田駅と勤務し、今に至ります。

加藤さんが拠点とする東刈谷駅。
加藤さんが拠点とする東刈谷駅。

機動担当の業務とは

――機動という言葉はあまり聞き慣れませんが、どのようなお仕事なのでしょうか。

加藤 東刈谷駅は24時間勤務の機動業務と、改札に立ったりきっぷを販売したりする日勤業務に分かれています。両者の割合は概ね1対1です。機動業務では、東海道線の逢妻駅から三河安城駅までの各駅に駆け付けて、券売機の売上金を回収したり、車いすを利用されるお客さまの介助対応にあたったりします。

端的に言えば、駅係員のいない駅に駆けつけてお客さまのサポートを行うのが機動の業務です。

――なるほど。では、機動業務の一日の流れを教えてください。

加藤 午前中は担当する各駅の券売機の売上金の回収を行い、午後は各駅を巡回します。この間、車いすを利用されるお客さまの依頼があれば、介助対応に出向きます。

最終列車が出た後もホームにお客さまがいるなどの事象があれば、自動車で現地に駆けつけます。

こちらは、機動業務の場合の例。必要に応じ、担当する各駅に移動して対応します。
こちらは、とある駅での日勤業務の例。1つの駅で1日の勤務を終えます。

――業務にあたる中でのやりがいを教えてください。

加藤 元々、マルスを操作してきっぷを発売するというのが昔からの憧れでした。機動では、きっぷを発売することはありませんが、JR東海、そして東海交通事業あげての施策ということもあり、その最前線で活躍できることはやりがいにつながっています。

また、担当している駅は車いすをご利用される方が多いこともあり、券売機の対応とお客さまのサポート対応が重なってしまうことがあります。その際に当たり前ではありますが、案内センターと連携しながら無事故で完遂できることにもやりがいを感じています。

――イレギュラーな対応も多そうですね。

加藤 車いす利用の方以外にも、目の不自由なお客さまへの対応をしたり、券売機や自動改札機できっぷ等が詰まったりすれば機器の点検を行います。夜は酔ったお客さまの対応もあります。

駅を利用されるお客さまもコロナ前の水準に戻りつつあり、その対応は多岐にわたっています。仮眠中も何かあればすぐに駆け付けられるようにしています。

基本は案内センターから一報がきますが、拠点駅以外で何かあるとすぐに駆け付けることができず、何が起きているのかは実際に現地でないと分からないこともあるので、一筋縄ではいかない面もあります。常に案内センターと連携を取りながら進めています。

――業務の中で印象に残っていることはありますか。

加藤 機動は各駅を巡回します。係員のいない駅で不慣れなお客さま、大きな荷物を抱えているお客さまを見かけた際にはこちらからお声がけし、お手伝いさせていただきます。普段係員がいない駅だからこそなのか、係員配置の駅よりお客さまの反応が良い印象があります。

また、券売機できっぷ等が詰まったりすると係員がいる駅だとその場で対応できますが、係員のいない駅だとお客さまをお待たせしてしまう場合もあります。

その中でもできる限り早くお客さまの元に駆けつけて素早く対応すると、やむを得ずご不便をおかけしている状況ではありますが、逆に感謝されることも多いですね。機動ならではのエピソードだと思います。


加藤さんが大切にしているネームケース(個人用)。この中に免許証・社員証を入れ、業務中は常に携帯しています。お守りは静岡県の法多山の厄除守とのことで、業務用自動車で移動するため、交通安全とお客様の安全祈願を兼ねて、お守りを常に身に着けているそうです。
加藤さんが大切にしているネームケース(個人用)。この中に免許証・社員証を入れ、業務中は常に携帯しています。お守りは静岡県の法多山の厄除守とのことで、業務用自動車で移動するため、交通安全とお客さまの安全祈願を兼ねて、お守りを常に身に着けているそうです。

――それは、加藤さんの迅速で誠実な対応があってこそのことと思います。駅業務の経験が機動でも生きていると感じることはありますか。

加藤 駅の係員と同じ制服を着て巡回しており、お客さまから声を掛けられることもあります。駅の窓口だと資料や時刻表が置いてありますので調べながら対応できますが、機動は、何を聞かれるかわからない状態できっぷや運賃制度のことなどを聞かれますので、窓口で業務にあたる際以上に知識を持っていないと答えられない面もあります。

三河安城駅、東刈谷駅で駅業務を経験できたことにより知識が培われ、そのような問い合わせにもスムーズに答えられていると感じています。

――勤務する中でご自身の成長を感じられるエピソードを教えてください。

加藤 昔から自分の考えなどを主張せず人に合わせてばかりで、あまり他人を引っ張るタイプではありませんでした。

この仕事は決められた時間、ルールをしっかり守って、老若男女さまざまなお客さまを対応することが求められます。それをしていくうちに不慣れなお客さまにはしっかり説明したり、急いでいるお客さまにスムーズな対応を心掛けたりとその時の状況を自分で判断して最適な対応をすることができるようになりました。

駅では、職場リーダーとして若手を指導する立場でもありますので、新入社員のインストラクターや職場リーダーの仕事を進める中で、他人にあわせてばかりという以前の自分よりは成長できたのかなと感じています。

――後輩を指導する中で難しいと感じる場面は。

加藤 結局、自分自身に知識がないと後輩に指導できません。3人の後輩を教えてきましたが指導を進める中で、「あれ、これどうやるんだっけ?」と自分自身が立ち返る場面があり、自分の知識を磨かなければ指導はできないということを痛感しました。

三河安城駅勤務でインストラクターをしていた際は、新幹線の駅が併設されていることもあって在来線の窓口には長距離きっぷを買いに来るお客さまが少なく、後輩にきっぷを発売する経験を積ませられないのでどうやって教えるかを悩みました。

そこで、私自身がお客さま役となり、ロールプレイングを重ね、とにかく慣れてもらうという工夫もしました。ここでも教えることの難しさを痛感しました。

――東海交通事業の魅力を教えてください。

加藤 憧れの鉄道業界に入り、多くのお客さまが利用する公共交通機関の最前線で仕事ができるというのがこの会社の魅力です。JR東海の制服姿というのは小さいお子さまにとっての憧れであり、話しかけるとすごく喜んでいただける、その瞬間「この仕事っていいなあ」って思います。また、有給がしっかりとれるのも魅力ですね。私自身旅行がすごく好きなので3連休、4連休と取って旅行に出掛けています。

――なるほど。ワークライフバランスは大事なことですね。ご旅行はよくされるんですか。

加藤 最近は北海道に行くことが多いですね。昨年11月、12月と2カ月連続で行きました10月には石垣島にも行きました。なんだかんだで毎月旅行しています(笑)

――転職活動を経て入社されたとのことですが、その際に苦労されたことを教えてください。

加藤 「いつかは鉄道の仕事をしたい。そのためには自分自身を成長させてから」という想いを持ち、前職では業務にあたっていました。その当時は縁がなくても、あきらめずに自分がやりたい仕事に就くために努力した結果、今の自分があると思っています。

学生の方へのメッセージ


――入社を希望する学生の方へメッセージをお願いします。

私は小さいころから電車で出かけるのが好きで、将来は鉄道に携わる仕事につきたいと思い、目標としていました。この会社に入社することができ、初めて新幹線の切符をお客さまにお作りしたときの感動は今でも忘れられません。

今は時代も変わり、お客さまに対面で切符をお作りしたり、列車の運転をすることだけが鉄道業ではなく、遠隔で切符をお作りしたり、困っているお客さまの元へ出向き介助対応やご案内をすることも大切な仕事の一つです。そういったさまざまな経験ができるのも、東海交通事業で働くやりがいの一つです。

鉄道が好きな方や、多くのお客さまが利用する鉄道の最前線で働きたい方、人と接することが好きな方、時間や決められたルールをしっかり守れる方はぜひ応募してみてください。
ぜひ一緒に働きましょう!

――本日はお忙しいところ、ありがとうございました!


自動車で各駅を巡回(写真は本社駐車場で撮影したイメージです)

終わりに

インタビューを始めたときの関心は、やはり「聞きなれない機動という業務はどのようなものなのか」という点が中心でした。しかしインタビューが進むにつれて、機動は複数の駅を守り地域のお客さまに貢献しながら、自身の成長にも繋げられるやりがいのある仕事なのだということが分かりました。

 そして、加藤さんがインタビューの途中で語った

「社内では、他の人から『駅に戻りたくない?』と聞かれることもたまにあります。確かに駅業務も楽しかったのですが、今は機動の業務にやりがいと楽しさを見出しているので、『そうでもないよ』と答えています」

というエピソードは、機動の仕事に加藤さんが誇りを持って携わっていることが垣間見える印象的なお話でした。

なお同じ東海交通事業でその駅業務にあたっている飼沼さんに取材した記事を公開しています。駅を一人で切り盛りするその業務内容や、飼沼さんが自身で感じたやりがいについて語ってくれています。

こちらからどうぞ!

また、JR東海テレフォンセンターで鉄道利用者からの問い合わせに誠実に答える、オペレーターの篠田さんへ取材した記事も掲載していますので、あわせてご覧ください!

東海交通事業について知りたい方は、下記リンクから情報を確認していただければと思います。

公式ウェブサイト

採用サイト

業務紹介や社員紹介、人事の方からのメッセージなど豊富な内容が掲載されています。

今回紹介させていただいた会社

株式会社東海交通事業

東海エリアを中心にJR東海からの駅業務を受託しているのをはじめ、JR東海テレフォンセンターのスタッフとして案内業務、東海道線の枇杷島と中央線の勝川を結ぶ城北線の旅客鉄道業務、城北線高架下用地の貸付、駅レンタカーの営業などを行い、私たちの日々の暮らしを支えています。今回は名古屋市の本社にお邪魔し、取材させていただきました。

より詳しく知りたい方は

>>直近1年間の交通新聞電子版における「東海交通事業」検索結果
から記事をご覧ください! この交通新聞電子版のリンクからは、本来は有料となっている記事も無料で閲覧可能です。ぜひご活用ください。

2022年12月取材
撮影:木田慎一(交通新聞クリエイト)
聞き取り・企画・構成:交通新聞社
※記事中の情報は、この記事を公開した当時のものです。
※採用についてではなく記事の内容についてのお問い合わせは、交通新聞社HPからお願いいたします。掲載されている企業・個人へのお問い合わせはご遠慮ください。

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