【電車線や信号、電気設備など】「鉄道電気技術」に関わる会社を見てみよう
鉄道就活応援隊では、鉄道電気技術の世界について紹介しました。
今回はその鉄道電気技術の世界で、どのような会社があるのか、という記事になります。
鉄道電気技術の世界もまた非常に幅が広い世界なのですが、今回は「電車線の製造に関わる会社」「信号制御システムに関わる会社」「電気設備工事に関わる会社」という3つのカテゴリから会社を紹介します。
取り上げている業態・会社はあくまで一部です。
会社名を太字にして取り上げています(敬称略)。
鉄道施設の会社紹介記事同様、会社名がリンクになっている会社については「交通新聞 電子版」でその会社について検索した結果を見られるようになっています。
電車線の製造に関わる会社
電車線とは電車に動力源を供給するための「電車線路設備」の一部です。
国内で一般的な方式には大きく分けて2つのタイプがあり、よく見られるのは、車両が通る上部の空間に張られる「架空電車線方式」。一部の地下鉄のように、線路の側に引かれるものは「第三軌条方式」と呼ばれます。
電車線路設備関係のメーカーでは、電車線を支持する金具の製造に強みを持つ三和テッキ、電気が流れるトロリー線を製造する大手メーカー住友電工といった会社があります。
近年は省メンテナンス化された電車線の導入が進んでいますが、部品の交換が完全になくなることはありませんので、電車が走り続ける限り需要がなくなることのない業態です。
信号制御システムに関わる会社
「信号」と聞くと、信号機をイメージしますよね。
ですが、鉄道における信号制御システムとは、信号機を含めた様々な装置や、その装置を連動させたり遠隔管理するためのシステムを含めた、列車の運行が安全に行われるための仕組み全体を指します。
少し複雑な話ですが、「仕組み」としての信号について構成要素から理解するには、鉄道・運輸機構の公式ウェブサイトの記述が大変分かりやすいです。
このように、装置とシステムが一体となっているのが信号制御システムのため、技術職もハードだけでなくソフトに関わる人材が募集されているのが特徴です。
日本信号や京三製作所、大同信号などの会社があり、事業面で言うと鉄道信号以外に道路管理者向けの交通管制にも強みを持つ会社もあります。
メンテナンス・電気設備工事に関わる会社
電気設備の新設やメンテナンスに関わる会社です。
上記二つの業態とは異なり、鉄道会社のグループ会社やパートナー会社の占める割合が多いのが特徴です。たとえば東急でいう東急テクノシステム、小田急なら小田急エンジニアリング、JR九州ならJR九州電気システムといった会社です。
他の特徴としては、JR東日本のパートナー会社である東日本電気エンジニアリングのように、発電・送電・変電を一気通貫に扱う会社もあるため、規模や場所が全く異なる施設の作業が同じ会社の中で進んでいる、ということもあります。
また、新生テクノス、日本リーテック、日本電設工業のように、鉄道電気工事だけではなく一般の電気工事も幅広く担っている会社が多くあります。
鉄道という安定した事業領域を持ちつつ、それ以外の領域で幅広い経験を積むことができる可能性があるともいえます。
一方で電気設備工事を含めた鉄道電気工事の高度化・複雑化が進んでいることもあって、鉄道電気設計を専門に担う日本鉄道電気設計のような会社もあります。
同じ鉄道電気工事に関わる会社でも得意領域や仕事内容は会社ごとに変わってきますので、自らの関心や専攻と照らし合わせて選ぶようにしましょう。
おわりに
幅の広い鉄道電気技術の領域から、今回は「電車線の製造に関わる会社」「信号制御システムに関わる会社」「電気設備工事に関わる会社」というテーマで、会社をいくつかご紹介しました。
今回紹介しきれなかった電灯や通信設備など、鉄道電気技術の世界はまだまだ広く、この記事で紹介した内容はごく一部になります。
会社ごとの採用ページや説明会も参考にして、ぜひあなたに合う進路を考えてみてください。
紹介した会社(記事登場順)
記事中に登場した会社を列挙しています。各社ごとの募集状況の確認までは行っておりませんのでご了承ください。
三和テッキ
住友電工
京三製作所
大同信号
東急テクノシステム
日本鉄道電気設計
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