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【土木や建築、保線など】「鉄道施設」に関わる会社を見てみよう

鉄道就活応援隊では、以前「鉄道施設」についての業界解説記事を投稿しましたが、読んでいただけたでしょうか。
就職活動をしている方々にはもちろん、鉄道というインフラに関わるお仕事の裏側に興味のある方にとっても知的好奇心を満たす内容になっているのではないかと思います。

まだの方はぜひ読んだ上で就職活動の参考にしていただきたいのですが、今回は、鉄道施設の世界にはどのような会社があるのか、ごく一部ですが紹介したいと思います。

上に挙げた記事にもありますが、土木や建築、保線など鉄道施設に関わる仕事は幅広く存在しています。
そのため、それぞれの作業に精通した会社が存在しており、鉄道会社と協力して鉄道の日々の運行を支え、時には新線の建設を担い、時には近年多発する災害による被害からの復旧にも対応しています。

それらの会社について本当は全国から取り上げたいところなのですが、今回の記事では都合により東日本の会社を中心に、会社名を太字にして取り上げています(敬称略)。

そして、先日「交通新聞の一部記事が無料会員でも全文閲覧できるようになりました」という告知の記事を投稿したばかりですが、会社名がリンクになっている会社については「交通新聞 電子版」で検索した結果を見られるようになっています
なお、交通新聞の性質および検索の仕様上、検索結果に占める人事情報の割合が高くなる点をご容赦ください。


土木工事・建築工事に関わる会社

新線建設など、大規模な土木工事の中心はやはり建設会社です。

鉄道関係の仕事のみを扱っている会社というのは意外と少なく、特に規模が大きい会社ほどそれ以外の仕事も扱っています。
これは業界解説のnoteで触れた通りですね。以下、特記の無い限り引用は業界解説のnoteからの引用になります。

一般の建設会社でも、鉄道建設や保守に実績や専門ノウハウを持つ企業が多くあります。また、JRや一部私鉄には系列の建設会社があり、JRグループや大手私鉄の工事も、そうした企業が中心になって受注する場合もあります。どの工事をどんな建設会社が手掛けるかは情報公開されているので、興味のある方は一度調べたり問い合わせてみてはいかがでしょうか。

ここでは「新線建設」の場合を例にとり、2023年3月18日に開業した「相鉄・東急直通線」の新横浜トンネル工事の施工会社について実際に見てみましょう。「相鉄・東急直通線」については、工事の概要や進捗がWebサイトで公開されています。

これを見ると、発注者である鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)のほか、奥村組佐藤工業青木あすなろ建設NB建設といった多くの施工会社による工事だと分かります(ここでは特定JVについての説明は省きます)。

鉄道以外の一般的な土木工事でも名前を聞いたことのあるような企業が関わっている、というのが分かりますね。
上に挙げたのは一例で、同じ「相鉄・東急直通線」でも他の工事ではまた別の施工会社になっています。いろいろと調べてみましょう。

建築工事の場合も同様で、鉄道に関わる分野で言うと駅舎の新築や改築、従業員の寮など様々な場面で、建設会社が活躍しています。
JRグル-プでこれらの仕事を行っている会社もありますが、そちらは次の「保線に関わる会社」でも出てくるので、そちらで紹介します。

保線に関わる会社

線路をよく見ると、溶接の跡を見つけられることもあります。

鉄道にしかない業務である「線路のメンテナンス」に関係する会社を見てみましょう。

また保線などの鉄道施設の保守の分野の工事は、鉄道会社との密接な連携と長年培ったノウハウや経験等が不可欠な分野ですので、鉄道会社系の施設関係会社が強みを発揮しています。

線路のメンテナンスに関しては鉄道会社系の施設関係会社が強く、建築や土木を事業領域としている会社の一部門として保線に関する部門がある場合が多いです。
JR東日本と関わりのある企業で言うと、交通建設仙建工業第一建設工業東鉄工業双葉鉄道工業ユニオン建設などがこれにあたります。

一方で線路に特化して線路検測や技術指導を行う日本線路技術(JR東日本の連結子会社)、レール溶接や非破壊の探傷検査に精通した全溶、レール溶接に加え分岐器や信号の製造も行う峰製作所のような会社もあります。
他にもレールを固定する締結装置を扱う会社など、様々な会社が線路の維持・改良に携わっています。

どのような会社があるのか調べるために

ここまでで取りあげた会社以外にも、鉄道施設に関わっている会社はまだまだあります。

ナビサイトで探したり、鉄道会社のグループ会社を集めた説明会に参加していたり、果ては工事現場に掲示されている会社の名前を見たり、と情報収集の手段はたくさんあります。

このnoteアカウントが作成しているマガジン「鉄道ゲンバ最前線」では、実際に鉄道にかかわる様々な仕事で活躍する方にインタビューしています。もちろん土木・建築の分野で活躍する方々のインタビューもあるので、ぜひご覧ください!

まとめ

鉄道施設には様々な会社が関係しており、それぞれに得意分野の違いがあります。就職活動をするみなさんには、

  • 鉄道関係の仕事にノウハウを持つ総合建設会社(工事の施工)

  • 鉄道会社の技術系部門(計画・発注・現場の監督)

  • 鉄道会社の協力会社(工事の施工)

  • 独立した専門の会社(会社によって様々)

といった多くの選択肢があるのがお分かりいただけたでしょうか。

様々な会社の説明会などで事業領域に関して理解を深めた上で、自分の興味関心と照らし合わせて進路を考えてみてください。

最後になりますが、この記事が参考になったりいいな、と思っていただけたりしたら、ぜひ記事の「スキ」とnoteアカウントの「フォロー」をお願いします!

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鉄道施設は、ホームドアの設置などバリアフリー化にも関係が深い分野です。こちらの記事で鉄道のバリアフリー化について解説しています。

「鉄道業界紹介記事」シリーズのマガジンです。鉄道施設以外にも、鉄道に関わる様々な仕事への解説記事があります。

※2023年2月21日 一部表現を修正しました。関連記事・Twitterアカウントへのリンクを追加しました。
※2023年5月11日 タイトルを修正し、相鉄・東急直通線の開業により一部表現を修正しました。
※2023年9月28日 一部表現を修正しました。


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